格安SIMに変えようと思って調べていると、各社のHPで「ドコモとauとソフトバンクの回線から選べます!」などの文章を目にすることはありませんか?
「格安SIMなのに大手キャリアを選ぶの…?」「何が違うの?」とわからなくて困った方もいらっしゃるのではないでしょうか。そもそも選べないキャリアもあったり選べるキャリアもあったりで正直ややこしい部分もありますよね。
結論から言えば
- 楽天モバイルは自社で回線を持っているので楽天モバイルの独自回線
- パートナーエリア(楽天回線のエリア外)はauの回線を使用
となっています。
今回は楽天モバイルにおける回線やメリット・デメリットなどについて解説します。(文中の価格は特に表記の無い限り税抜です)
この記事の目次
MNOとMVNOの違いについて
楽天モバイルは2020年の4月に誕生した、日本で4番目になるMNO(自社回線設備を持つ)です。それ以前はMVNO(自社回線設備を持たない仮想移動体通信事業者)として運営されていました。
MVNOの場合は、既存のキャリアから回線を間借りしているので、出来るサービスは限られます。回線が混み合う時間帯の通信速度低下も、ある程度は避けられません。
しかしMNOは自社の基地局を持っているので、安定した通信を提供することが可能です。ですが楽天モバイルの場合はまだサービスを開始したばかりなので、いきなり日本全土をカバーするのは難しく、パートナー回線を借りるようになっています。
楽天モバイルの回線は1種類
現在の楽天モバイルはMNOなので、回線は1種類のみです。MVNOの場合は自社回線設備を持たず、大手各社から借りているため、ドコモやau、ソフトバンクなど選ぶことが可能です。
楽天モバイルの場合、自社回線設備を持つMNOのため楽天モバイルの回線となっています。
ただ先述の通り、大手キャリアと比べて基地局の整備は進んではいますがまだまだ少ない状況です。そのためエリア外はパートナー回線としてauの回線を利用しています。
楽天モバイルの使っているBand
楽天モバイルが認可を受けたのは、Band 3 [1.7 – 1.8 GHz]のみです。
他のキャリア各社は6~8の複数Band認可を受けています。ただこれは現状に即したものであると考えられ、規模という観点で考えれば、3大キャリアが各社16万~20万カ所以上の基地局を持っていますので、これは仕方が無い事です。
限られたBandの上に、いきなり全国展開は無理がありますから、楽天モバイルでは都市部を重点的に基地局設置するという戦略をとっています。
それでは、全国を相手にするキャリアを名乗ることが出来ませんから、繋がりやすく既に全国展開しているauのBand 18 [800 MHz]を間借りして補っています。
楽天ではBand 18 [800 MHz]をパートナー回線と呼んでいます。
日々広がっていくサービスエリアは公式ページで確認出来ます。濃いピンク色が楽天回線エリアで、薄いピンクがau回線のパートナーエリアです。
楽天モバイルの料金プラン
楽天モバイルは、楽天回線だけで無くau回線も使いますが、接続先は全て楽天になり、料金体系も一本です。
Band 18 [800 MHz]の屋内でのスピードテストです。繋がっているのは、パートナー回線のauですが、接続先はRakutenと表示されています。
楽天回線・パートナー回線(au) | |
---|---|
Rakuten UN-LIMIT | 2,980円/月額 |
他のプランは無し!一つのみ
楽天モバイルは、解りやすい料金体系をウリにしています。これ以上無いシンプルさで一つのみ。これ以外のプランはありません。
データ使い放題
楽天回線エリアでは高速で完全使い放題で、パートナー回線エリア(au回線)は5GB/月という制限はありますが、超過後も最大1Mbpsで使い放題です。
他のキャリアにも刺激を与えたようで、対抗するためのプラン(超過後も最大スピードを1Mbpsに上げる)を出さざる得なくなっています。これは国の思惑通りの動きと言えるでしょう。
国内通話かけ放題
固定電話でも携帯電話でも「かけ放題」を実現しています。別料金ではなく、月額料金に込みです。通話料無料はRakuten Linkアプリを使用して電話をした場合のみです。(ナビダイヤル等一部の通話先を除きます)
グローバルで使える
海外66の国とエリアで2GB/月無料。海外から日本への通話料も無料。エリア外でもWi-Fiがあるところなら、通話料無料で電話が出来ます。(Rakuten Linkアプリを使用)
日本から海外への発信通話は有料ですが、月額980円で海外66の国と地域への通話がかけ放題になるオプションを用意しています。
1年間は先着300万人まで無料!
極めつけはコレです!先着300万人まで1年間月額費用が無料になります。6月末に楽天モバイルは契約者100万人を突破したことを発表しました。
2020年の決算会見で三木谷社長は、採算のとれる契約者数を700万人と想定しています。
楽天モバイル回線のメリット/デメリット
東京・大阪・名古屋では、屋外なら楽天回線に繋がる場所が増えてきました。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
楽天回線 | データ使い放題 | まだ基地局が少ない |
パートナー回線(au) | 全国で繋がる | 月に5GBのみ |
契約出来るプランは一つしかなく、回線を意図的に選ぶことは出来ません。
Band3が掴めるエリアでは、強制的に楽天回線になります。掴めないエリアでのみ、Band18のau回線を使用する仕様です。
楽天モバイル回線のメリット
月額料金2,980円/月額(1年間無料キャンペーン中)でデータ使いたい放題は、他のキャリアでもMVNOでもなかなか見かけません。
楽天回線は全国的に見ると、まだ対応エリアは少ないですが、au回線5GB/月まで使えて、上限を超えてからも1Mbpsのスピードで無制限ということは、殆どのことが出来るということです。
楽天モバイル回線のデメリット①
認可されているBandが3のみで、繋がるエリアは全国で見たらまだまだ少ないです。屋外なら繋がる場所でも屋内では繋がらない場所も多いです。
今後は基地局が増えていけば徐々に解消されていく予定ですが、どの時期に、どこまで到達できるのかは未知数という部分も残されています。
楽天モバイル回線のデメリット②
Band3とBand18をシームレスに切り替える事が出来る端末は、楽天モバイル公式端末以外には非常に少ないです。
手持ちの端末を使って乗り換えをしたり、使いたい端末が対応していない可能性があります。iPhoneも対応していません。
楽天モバイルの回線は遅い?速度の口コミ
筆者は楽天モバイルの回線を3ヶ月利用しています。
名古屋市内の屋外では、殆どの場所でBand3を掴んでいます。時間帯や場所にもよりますが、掴むBandに限らず、概ね7Mbps~25Mbpsあたりのスピードが出ていて満足度は高いです。むしろ、これが何で1年間無料なのか?疑問に思うくらいで、さしあたっての不満はありません。
回線の口コミ(価格comより)
東京限定の話になりまずか、速度も申し分ありません。また楽天回線は当然ですが
パートナー回線の範囲でも十分に早いと感じています。
ガラケーをやめて以降、格安SIMしか利用してこなかったので通信キャリアの速さには今さらながら驚いています。
つながりやすさも僕の使用範囲では問題は全くありません。
ずっと格安simしか使ってこなかったので甘め判断になっているかもです。楽天回線エリア内ですが、家の中ではパートナー回線に繋がる事が多いです。
都内の地下鉄の駅では、パートナー回線にしか繋がらず、人が多いと、通信速度がガタ落ちして、ニュースサイトも見られません。
楽天回線に繋がれば快適ですが、パートナー回線だと、通信速度にバラツキがあります。神戸市中央区に住んでおり、JR通勤で大阪駅まで、会社は梅田のオフィス。
2020.5.29現在一部西宮・尼崎エリアを除き、楽天エリア対象地域ですが、95%程度、接続する回線はパートナーエリア(au)でした。
家の中、ベランダでもパートナー回線。利用するシーンでほとんど圏外か、アンテナが表示されていても通信が開始されないことが多々あります。
速度は常時8~15Mbpsしか出ず、満足度は高くありません。
動画再生やダウンロード、テザリング時にフラストレーションがたまります。少しずつ改善はしているがまだまだ。 店の奥や地下NG
速度や繋がりともUQやワイモバイルと比べても違いはない気がします。
特に問題は無い
と言っても楽天でのデータ通信は半分以下で、半分以上がau回線です
回線の口コミの総評
思った通りというか・・・楽天回線に繋がらない口コミが散見しています。屋内で繋がらないというのもわかります。繋がるエリアでは快適。
今後に契約者が増えていったときにどうなのか?というのも気になるところです。今後順調に基地局が増えていくことを願う気持ちは同じです。
楽天モバイル回線申し込みに必要なもの
楽天モバイルを申し込む際は、以下の書類や楽天IDが必要になります。
出典:楽天モバイル公式サイト
楽天モバイルを契約するもしくは乗り換える場合は以下のものが必要になります。
- MNP転出予約番号(新規契約の場合は必要ありません)
- 支払い口座もしくはクレジットカード
- 楽天会員のユーザーID/パスワード
- 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・各種公的機関発行手帳等の顔写真付きの書類。パスポートや健康保険証の場合は補助書類が必要です。)
- 外国人の方の場合は在留カード・特別永住者証明書など
、契約にあたっては楽天会員のユーザーID/パスワードが必要となります。もしお持ちでない方は先にこちらから取得しておくとよいでしょう。
楽天モバイルの回線の申し込み手順
楽天モバイル回線の契約は、IT企業らしく簡単です。
楽天市場を利用した事がある方なら、楽天IDとパスワードをお持ちのハズです。そのIDとパスワードがそのまま楽天モバイルの契約に使うことが出来ます。
楽天市場を全く使用したことのない方も、楽天IDは簡単に作成することが出来ます。
①公式サイト右上の「お申し込み」を押す。
②プランを選択します(プランはUN-LIMIT一つのみです)
③オプションを選択します。オプションとしてあるのは
- 国際通話かけ放題(日本国内から海外に電話をかける)
- Wi-Fiエコネクト
- ちなみに留守番電話・着信転送・割込通話は標準プランに含まれています。
などがあります。
④公式端末製品を購入する場合は選択します。
⑤この内容で申し込むを押します。
⑥楽天会員IDとパスワードを入力してログインします。IDが無い場合は、新規登録(無料)してください。
⑦免許証のコピーなどの本人確認・個人情報を入力して完了です。
楽天モバイルは今後5G回線に対応する?
楽天モバイルは結論から言えば5Gに対応し、実際に2020年9月30日より5G対応プランが出ています。
引用:楽天モバイル公式サイト
その名も「Rakuten UN-LIMIT Ⅴ」。5G対応のスマートフォンを使っていればすぐに使えます。
こちらもプラン料金は月2,980円で、今なら先着300万名様1年間無料です。
※2014年10月29日~2020年4月8日に楽天モバイル(ドコモ回線・au回線) をご契約されたお客様はアップグレードするのみとなっています。
まとめ
楽天モバイルが進めている自社回線は、基地局が増えてくれば口コミにある様な不満は解消される青写真を描いています。
パートナー回線(au回線)をいつまでも使っていては、採算が合いません。1年間無料でユーザーにある意味「お試し」させている期間が終了するまでに基地局の整備が進まない場合は、ユーザーが離れていってしまう(楽天モバイルの解約料はいつでも無料)リスクを負っています。
回線環境が良くなっていく事でしか、事業継続が出来ない事。それを一番理解しているのは、三木谷社長を初めとした楽天モバイルです。
月々2,980円の料金は先着300万人まで1年間無料です。2020年6月末に契約者数100万人突破の発表がありました。
1年間無料で参加できるお試しに、参加してみませんか?