J:COM MOBILE(ジェイコムモバイル)という格安SIMをご存知ですか?
ケーブルテレビでおなじみのJ:COMが提供している格安SIMで、サービスを使っている人なら、一度は案内を受けたことがあるかもしれません。
格安SIMの中では、かなりマイナーなので、その実態が分からず「契約しても大丈夫なんだろか」と不安に思われているかもしれませんね。
そこで今回は、果たしてジェイコムモバイルにデメリットはないのか、徹底的に調べてみました。結果、決して少なくないデメリットが見えてきたので、包み隠さずにお伝えします。
ジェイコムモバイルが気になっている人は、ぜひこの記事を参考にしてくださいね。
この記事の目次
ジェイコムモバイルとはどんな格安SIM会社?
引用元:https://www.jcom.co.jp/(2020/08/13現在)
ジェイコムモバイルはケーブルテレビのJ:COM(株式会社 ジュピターテレコム)が運営する格安SIMです。
札幌・仙台・関東・関西・九州エリアで、11社70局のケーブルテレビなどのサービスを展開しています。加入世帯は554万世帯(2020年6月)とされています。
そんなJ:COMは、対象エリアの人を対象にした格安SIMサービス「ジェイコムモバイル」を提供しています。回線はauとドコモの2種類あります。
- au回線:音声通話SIMのみ。「Aプランスマホセット」として提供
- ドコモ回線:音声通話/データ通信両方対応。「DプランSIMカード」として提供
ジェイコムモバイルと大手キャリアを比較!ジェイコムモバイルのデメリット
今回、ジェイコムモバイルと大手キャリアとを比較したときに分かってきたデメリットは9個ありました。
- すべての人が契約できるわけではない
- 実店舗が少なく端末・SIMの即日受渡しはしていない
- 通信速度は大手キャリアほど期待できない
- ホームページがとにかくわかりにくい
- かけ放題が割高
- 音声通話SIMには最低利用期間がある
- Androidスマホはエントリーモデル2機種しかない
- iPhoneはiPhone 7しかない
- 支払いがクレジットカードのみ
①すべての人が契約できるわけではない
引用元:https://www.jcom.co.jp/(2020/08/13現在)
これは大前提になります。
ジェイコムモバイルはすべての人が契約できるわけではありません。J:COMのサービスエリアの人のみ契約ができ、エリア外の人は契約できません。
注意したいのがスマホの回線エリアではなく、あくまでJ:COMのエリアかどうかという点です。
J:COMとしては、自社のサービスとセットでスマホの契約数を伸ばしていきたいのでしょう。
ちなみに、エリア内の人なら、J:COMのサービスを契約していない人でも、ジェイコムモバイルを契約できます。
②実店舗が少なく端末・SIMの即日受渡しはしていない
引用元:https://shop.jcom.co.jp/(2020/08/13現在)
大手キャリアなら小さな町にもケータイショップがありますが、ジェイコムモバイルを扱っている「ジェイコムショップ」は11都県にしかありません。
また、ジェイコムショップで契約しても、端末やSIMカードをその場で受け取ることができません。後日、郵送になります。
スタッフに相談しながら契約したいという人にはメリットがありますが、すぐに使いたい人には、ショップのメリットは少なそうです。
③通信速度は大手キャリアほど期待できない
これは格安SIMなので、仕組み上、仕方のないことですが、ジェイコムモバイルには大手キャリアほどの通信速度は期待できません。
特にお昼や夕方などの、通信が集中する時間帯は、かなりの速度低下が予想されます。
④ホームページがわかりにくい
引用元:https://www.jcom.co.jp/(2020/08/13現在)
今回、ジェイコムモバイルを調べるためにホームページを閲覧しましたが、これまで多くの格安SIMを見てきた筆者でも「これは分かりにくい」と感じるものでした。
初めて格安SIMを使う人なら、なおさら分かりにくく感じるかもしれません。
そんな人には、少しでもこの記事が参考になればと思います。
⑤かけ放題が割高
ジェイコムモバイルはau回線とドコモ回線を提供しているのですが、au回線では「かけ放題5分」に加入できます。
- 1回線につき850円/月
- 5分以内の国内通話が何度でも無料
- Aプラン(au回線)に申し込みした人が対象
大手キャリアと比較すると、例えばドコモでは5分かけ放題が700円で加入できます。ジェイコムモバイルの方が、少しだけ割高です。
また、ジェイコムモバイルの場合は、完全かけ放題もありません。
⑥音声通話SIMには最低利用期間がある
ジェイコムモバイルの音声通話SIMには以下の最低利用期間があります。
- Aプラン:2年間(違約金8,500円)
- Dプラン:12ヶ月(違約金700円×残月数)
特にAプランの場合、長期契約を結ばないと毎月の料金が割高になるので、2年契約は必須です。例えば3GBの場合、
- 長期契約(2年契約あり):2,980円
- 長期契約なし:3,680円
毎月700円も料金が違います。
なお、Dプランのデータ通信SIMには、最低利用期間はありません。
⑦Androidスマホはエントリーモデル2機種しかない
引用元:https://www.jcom.co.jp/(2020/08/13現在)
ジェイコムモバイルで購入できるAndroidスマホは、以下の2機種しかありません(2020年8月現在)。
- Galaxy A20
- BASIO4
大手キャリアなら、各社いろいろなラインナップから選ぶことができますが、2機種からしか選べないのは物足りないですね。
しかも、両機種とも初心者向けのエントリーモデルなので、そこそこ高性能なスマホが欲しい人には向いていません。
お目当てのスマホがある人は、持ち込みでDプランを選択するのがおすすめです。
⑧iPhoneは「iPhone 7」しかない
引用元:https://www.jcom.co.jp/(2020/08/13現在)
ジェイコムモバイルで扱っているiPhoneはiPhone 7のみです。
32GBモデルの場合、
- 10GB、20GBプランを契約
- 48回の分割払いで契約する
という条件で、端末価格60,000円が実質無料になります。
しかし、いくら実質無料とは言え、このタイミングで2016年に発売のiPhone 7を4年縛りで購入するメリットは少ないです。
個人的にはおすすめできません。
やはり、ジェイコムモバイルを契約するなら、端末は自分で用意するDプランがおすすめです。
⑨支払いがクレジットカードのみ
大手キャリアなら支払いを「口座振替」に設定することができますが、ジェイコムモバイルは他の格安SIM同様にクレジットカードしか選べません。
本人名義のクレジットカードが必要です。
実際に使ってわかったジェイコムモバイルのデメリット
大手キャリアと比較してたくさんのデメリットが見つかりましたが、実際に契約〜利用する中でも、ジェイコムモバイルの短所が見えてきました。
- お昼の通信速度はやはり遅かった
- au回線とドコモ回線は自由に選べない
- ドコモ回線で使えないサービスが多い
- au回線の契約事務手数料が高い
- au回線は長期契約(2年)しないと割高
- カウントゼロは対象サービスが限られている
①お昼の通信速度はやはり遅かった
これは想定内でしたが、特に平日夕方の速度はかなり低下しました。
以下は、通信速度を計測できるサイトの、過去3ヶ月の、時間帯ごとの平均速度です(ドコモ、au回線が混在しています)。
時間帯 | 下り(単位:Mbps) | 上り(単位:Mbps) |
---|---|---|
朝 | 39.64 | 18.19 |
昼 | 9.63 | 5.68 |
夕方 | 0.66 | 0.56 |
夜 | 27.91 | 8.26 |
深夜 | 119.12 | 12.83 |
引用元:https://minsoku.net/(2020/08/13現在)
お昼は何とか持ちこたえていますが、夕方の時間帯の落ち込みが激しいです。
ただ、それ以外の時間帯は快適に使えるレベルと言って、問題ないでしょう。
これは憶測ですが、ジェイコムモバイルのユーザー数があまり多くないことが要因ではないかと思われます。つまり「穴場的な格安SIM」とも言えます。
②au回線とドコモ回線は自由に選べない
引用元:https://www.jcom.co.jp/(2020/08/13現在)
ジェイコムモバイルはau回線とドコモ回線を扱っているのですが、au回線(Aプラン)はスマホセットの提供しかありません。
つまり、au回線を使いたい人は必ず端末セットを購入しないといけなく、持ち込みで契約することはできません。
端末を持ち込みたい人は、ドコモ回線のSIM一択です。
③ドコモ回線で使えないサービスが多い
ジェイコムモバイルは、au回線(Aプランスマホセット)の提供に力を入れており、ドコモ回線(Dプラン)はおまけ程度のサービスというのが現状です。
- かけ放題5分
- 音楽・動画のデータ通信ゼロサービス
- 公衆無線LAN「Wi2 300」
などは、Aプランでしか利用できません。
④au回線の契約事務手数料が高い
Aプランの契約事務手数料は4,500円もかかります。多くの格安SIMの契約手数料は3,000円が相場で、さらにキャンペーンで無料になることもあります。さすがに4,500円は、一瞬身構えてしまうような価格です。
加えて、Aプランは長期契約(2年)が前提のサービスです。事務手数料も高く、2年縛りもあるので、気軽に利用できるサービスではありません。
⑤au回線は長期契約(2年)を契約しないと割高
Aプランは長期契約をしないと、毎月の料金が割高になります。
通信量 | 長期契約(2年)あり | 長期契約なし |
---|---|---|
0.5GB | 980円 | 1,380円 |
3GB | 2,980円 | 3,680円 |
10GB | 3,980円 | 4,680円 |
20GB | 4,980円 | 5,680円 |
また、2年契約をしたとしても、3GBで2,980円という料金は、はっきり言ってかなり割高です。
ジェイコムモバイルで音声通話SIMを選ぶなら、Dプランがおすすめ。
通信量 | 音声通話SIM | データ専用SIM |
---|---|---|
0.5GB | – | – |
3GB | 1,600円 | 900円 |
5GB | 2,100円 | 1,400円 |
7GB | 2,600円 | 1,900円 |
10GB | 3,100円 | 2,400円 |
⑥カウントゼロは対象サービスが限られている
引用元:https://www.jcom.co.jp/(2020/08/13現在)
Aプランでは特定のサービスのデータ通信がカウントフリーになります。
- J:COMミュージック(500円):5,000以上のプレイリストが聴き放題
- J:COMオンデマンド:ドラマやバラティエ、スポーツが視聴できる
J:COMオンデマンドはJ:COMの契約者が、スマホでも番組が観られるようになるサービスです。J:COM未加入の場合は、映画、ドラマ、アニメなどのVODコンテンツサービスが見放題になる「メガパック」に933円で加入できます。
ただ、カウントフリーになるのはこれらのサービスを使ったときのみ。使い勝手がいいとは言えません。
悪いことだけじゃない!ジェイコムモバイルのメリット
ここまでかなりの数のデメリットをお伝えしてきましたが、ジェイコムモバイルを利用して見えてきたメリットもお伝えしておきましょう。
- Dプランの料金は確かに安い
- 大手キャリアのような端末購入サポートが受けられる
- 初期設定の無料サポートが受けられる
- Wi-FiスクエアのフリーWi-Fiが使える
①Dプランの料金は確かに安い
先に紹介したとおり、Aプランの料金はお世辞にも安いとは言えません。しかし、Dプランなら他の格安SIMと比較しても、引けを取らない価格で利用できます。
通信量 | 音声通話SIM | データ専用SIM |
---|---|---|
0.5GB | – | – |
3GB | 1,600円 | 900円 |
5GB | 2,100円 | 1,400円 |
7GB | 2,600円 | 1,900円 |
10GB | 3,100円 | 2,400円 |
②大手キャリアのような端末購入サポートが受けられる
引用元:https://www.jcom.co.jp/(2020/08/13現在)
ジェイコムモバイルには大手キャリアで見られるような、端末の購入割引があります。
- 新規契約時:250円〜1,250円を48ヶ月間、毎月の割賦額から割引
- 端末割(機種変更時):100円〜1,250円を48ヶ月間、毎月の割賦額から割引
- 半額アシスト(機種変更時):24ヶ月以上使った端末をJ:COMに返却して機種変更した場合、残債の支払い(最大24ヶ月分)が不要
半額アシストは、大手キャリアでも採用されている割引形態です。
例えばGalaxy A20を割引を利用して購入した場合、毎月の600円の割賦額が全額割引されて、端末代金は実質無料になります。
③初期設定の無料サポートが受けられる
ジェイコムモバイルは、初めて格安SIMを使う人でも安心して契約できます。希望する人には、初期設定から使い方まで、無料で説明を受けられます。
本来は自宅まで出張サポートがあったのですが、新型コロナの影響で電話でのサポートに切り替わっています。それでも頼りになるサービスですね。
ただし、こちらもAプランスマホセットを契約した人だけが対象のサービスです。
④Wi-FiスクエアのフリーWi-Fiが使える
Aプラン契約者は、公衆無線LAN「Wi2 300」が無料で利用できます。
Wi2 300はいろいろなカフェや施設で利用できます。ただし、Dプランの契約者は利用できないので注意してください。
【実際に使った感想】でも結局はジェイコムモバイルを使ってよかった!デメリットよりもメリットが上回る満足度!
確かにデメリットが多く、使い方によってはあまりおすすめできないジェイコムモバイルですが、個人的には、以下の使い方であれば、満足して利用できるという結論にいたりました。
それは、端末は自分で持ち込んで、Dプランを契約する方法です。
Aプランと比較すると「かけ放題が使えない」「公衆Wi-Fiが使えない」といったデメリットがありますが、Dプランはなんと言っても料金が魅力的です。
データ専用SIMの3GBが900円で利用できるのは、業界最安レベルです。
ジェイコムモバイルをお得に契約!キャンペーン情報はこちら
ジェイコムモバイルを契約するなら、ぜひ利用したいキャンペーンを2つ紹介します。
ただし、Aプランを契約する人限定のキャンペーンなので、注意が必要です。
①【WEB限定】J:COM MOBILE スタート割キャンペーン
ジェイコムモバイルの3GB以上のAプランを新規で契約した人を対象に、12ヶ月間、毎月1,000円の割引を受けられます。
更に他社から乗り換えると、プランに応じてクオカードのプレゼント。
- 月3GB…5,000円分のクオカード
- 月10GB、月20GB…10,000円分のクオカード
②J:COM MOBILE 端末代割引
ジェイコムモバイルのAプランに新規で申し込み、端末を48回の分割で購入すると、以下の割引を受けられます。
- Galaxy A20:600円×48ヶ月
- BASIO4:250円×48ヶ月
- iPhone 7:0.5GB、3GBプランの場合250円×48ヶ月、10GB、20GBの場合、1,250円×48ヶ月
ただし、0.5GBプランの場合は、所定のJ:COMサービスへの加入が必要になります。
【まとめ】デメリットもあるけど結局はメリットの方が多い!格安SIMならジェイコムモバイルがおすすめ!
ジェイコムモバイルのデメリットとメリットを紹介しました。
主なデメリットを振り返ると、以下のとおり。
- 通信速度は大手キャリアほど期待できない
- ホームページがわかりにくい
- 音声通話SIMには最低利用期間がある
- Androidスマホ、iPhoneともに購入できるスマホが限られている
- au回線、ドコモ回線が自由に選べない
- Aプランでしか使えないサービス・割引が多い
逆にメリットに目を向けてみると、
- Dプランの料金は安い
- Aプランでは端末の割引を受けられる
- 初期設定の無料サポートが受けられる
といった点がありました。
このことから、ジェイコムモバイルは
- すでにJ:COMのサービスを使っていて、サポートを受けながら、スマホもセットで買って格安SIMに移行したい人
- スマホを自分で持ち込んで、特にデータ通信をお得に使いたい人
におすすめできるサービスと言えます。J:COMの手厚いサポートがあるので、J:COMの力を借りながら、格安SIMデビューしたい人は、契約を考えてもいいでしょう。
また「穴場的」な格安SIMなので、ある程度の速度を重視したい人にもおすすめできる格安SIMです。