格安SIMに乗り換えれば、確かに月々の支払いは安くなるとは思う。でも安い物にはワケがあるんじゃないか?使い物にならない通信品質ではないのか?大容量を使うと、結果的に高くなると聞いたことがある!
単純に安くなる!と聞いても、実際使ったことが無ければ不安ですよね。
格安SIM(MVNO)は自社回線設備を持たないで、大手キャリアから回線を間借りしています。それ以外にも経費のかかる店舗を持たない事も含めて低価格を実現しています。
大容量を使うと、格安SIMでは高くなる事も実際にあります。
そんな中でDTI SIMは、徹底的に価格にこだわっているMVNOです。大容量ユーザーには、毎日1.4GB使い切りで月額2,000円台というユニークなプランを提案しています。
実際に使ってみたメリットだけでなく、デメリットも解説します。(文中の価格は特に表記の無い限り税抜です)
この記事の目次
DTI SIMとはどんな格安SIM会社?
(引用:DTI SIM公式サイト 2020/06/18現在)
DTI SIMは、(株)ドリーム・トレイン・インターネットが運営する格安SIMのブランドです。
MVNOとしては、2011年にサービスを開始しています。
インターネットプロバイダとして三菱電機傘下で2003年にサービスを開始したことが源流にあります。会社の資本はその後東京電力傘下になり、更にその後は2007年に株式公開買い付け(TOB)によりフリービット株式会社の完全子会社になっています。
通信会社としてノウハウがあり、MVNOの創生期から積み上げてきた確かな歴史があります。
DTI SIMと大手キャリアを比較!DTI SIMのデメリット
画像:excite
大手キャリア(docomo・au・SoftBank)とDTI SIMを比較した時のデメリットをご紹介します。
①専門の単独実店舗が無い
大手キャリアだと当たり前にある、実店舗はDTI SIMにはありません。MVNOでも大手家電量販店などに契約出来るデスクを構えている物もありますが、DTI SIMを扱っているところは、現在ありません。
大手キャリアの行き届いたフルサービスと比較すれば、気軽に相談する場所もありません。契約するのも、質問するのも全てネット上で完結する必要があります。
しかし、今後は大手キャリアも含めて、オンラインでのサポートが一般的になると言われています。DTI SIMでもチャットやメールでの問い合わせを強化しています。
②キャリアメールが使えない
現在は連絡手段としてLINEやSNSが主流になっています。メールアドレスはGmailなどを使っている方には問題ありませんが、「×××@docomo.ne.jp」などのキャリアドメインのメールアドレスはDTI SIMにはありません。
MNP(番号ポータビリティー)で番号を持って移動した方はSMS(ショートメールサービス)の使用は可能です。
LINEや通常メールを使えない方とのコミュニケーションがある方は、注意しましょう。事前に連絡方法の変更を周知しておく必要があります。
ちなみに、これまで受信したメールがすべて見られなくなると思われている人も多いですが、転送やダウンロードをしておけば、大手キャリアを解約しても閲覧できるので、安心してください。
③端末のセット販売が無い
DTI SIMでは、契約時に同時に購入出来る端末販売はありません。APN設定等が苦手な方でも、現在使っているスマホの設定をするか、SIMフリーの端末を別途購入して自分でAPN設定をする必要があります。
しかし、APN設定など初期設定は、SIMカードと一緒に案内が送付されて来るので、それを参考にすれば、そこまで難しい作業ではありません。
むしろ、世の中にある多くのSIMフリースマホから、好きな端末を選べる自由さがあります。もちろん、iPhoneも使えますよ。
④公式アプリが無い
引用元:https://oc.dti.ne.jp/(2020/08/07現在)
提供される公式アプリは無いので、ブラウザから「My DTI」にアクセスしてデータの消費量や料金を閲覧する必要があります。
表示される内容は最低限です。使える残量のみの表示なので、使ったデータは逆算する必要があます。余計な機能が不要な人にとっては、逆にシンプルでいいのかもしれませんね。
⑤最低利用期間(縛り)がある
2019年10月以降は、法律によって違約金が1,000円以内に定められました。しかし、これには例外規定があり、100万人以下のユーザー数の通信会社には適用されません。
DTI SIMは、この例外規定が当てはまり、違約金がかかります。
音声通話機能付きSIMには、12ヶ月の最低利用期間があります。期間中の解約は、9,800円の契約解除料がかかります。
しかし、SMS機能付き・データ通信専用SIMには、最低利用期間はありません。
⑥MNP転出料が高い
DTI SIMから、電話番号を持って他社に乗り換えを申し出た場合に、MNP転出手数料5,000円がかかります。3,000円が現在の一般的な相場になっていますから、高いです。
もちろん、これは音声通話SIMの話なので、データ専用SIMを使う分には関係ありません。
⑦10分以上のかけ放題プランが無い
引用元:https://dream.jp/(2020/08/07現在)
キャリアでは用意されている、無制限の電話「かけ放題」オプションはありません。
最長でも10分という制限があります。10分を超える通話には10円/30秒の料金がかかります。うっかり長電話すると、後で来る請求金額にびっくりすることも。
もちろんLINE通話やSkype通話は問題ありません。
⑧解約時にはSIM返却が必要
DTI SIMでは、SIMは買い切りではなく、契約中に借りている状態です。解約時・MNP時には、使っていたSIMを返却する必要があります。送料も契約者負担です。
2ヶ月以内に返却しなかった場合に3,000円の手数料がかかります。
ただ送るだけなのでそこまで不便でもないです。封筒に入れて送るだけなので100円もかかりません。
⑨LINEでID検索してもらえない
LINEアプリで、自分のIDや電話番号を他のユーザーに検索してもらうことは出来ません。これはDTI SIMでは年齢認証が出来ないからです。
しかし、QRコードでID交換は出来ますし、現在大手キャリアを使っている方は、乗り換える前に年齢認証をしておけばMNPした後も問題はありません。
⑩おサイフケータイに制限がある
今使っている「おサイフケータイ」の機能は、格安SIMに差し替えても基本的には使用できますが、キャリアに依存する例えばドコモiDなどは使えません。
最近はPayPayなどのコード払いもずいぶんと普及してきました。これらのサービスを代わりに使うのもひとつの方法ですね。
⑪DTI SIMはdocomo回線のみ
DTI SIMはdocomo回線のみの展開です。
docomoを現在お使いの方は、手持ちの端末をそのまま使えます。
SIMフリー機種をお使いの方も同様です。
iPhoneは、アップルで購入したSIMフリー版や、キャリアで購入した端末も使うことが出来ます。キャリア購入のiPhoneはau・SoftBank版はSIMロック解除する必要があります。
au購入のAndroid端末はSIMロック解除しても使えない可能性があり、新たに端末を入手する必要があります。
動作確認済み端末は公式ページで確認出来ます。
実際に使ってわかったDTI SIMのデメリット
画像:excite
さらに、実際に使ってみてわかったDTI SIMのデメリットをご紹介します。
①通信速度の切替を任意で出来ない
他の格安SIMにあるような、通信速度を切り替えてデータ量を節約する低速通信モードがDTI SIMにはありません。少なめの契約容量を選んで月額料金を抑えて、スピードを必要としない場合は切り替えるということが、できません。
これは契約前に予め知っておきたいことですね。
②お昼時や夕方には速度が遅くなる
これはDTI SIMに限らず、格安SIMの泣き所です。一定のスペースを間借りして使うMVNOは、同時間帯で使用者が増えれば必然的に回線スピードは落ちます。
引用元:https://keisoku.io/(2020/08/07現在)
お昼休みの12時前後や夕方には、ある程度回線スピードが遅くなることは覚悟していましたが、やっぱり遅いです。お昼にGoogleフォトで写真を見ようと思っても、なかなか正常に写真が出てこない事もあります。
ただ、LINEやメールは普通に使えますし、自動車で地図アプリをナビとして使用しても今のところ特に問題は出ていません。
③通話料を安くするためには専用のアプリを使う必要がある
引用元:https://dream.jp/(2020/08/07現在)
「おとくコールアプリ」を使用の通話料金は10円/30秒です。音声通話発信は専用アプリを使わなくても出来ます。この場合は割引料金が適用されないので、倍になってしまいます。(20円/30秒国内通話)
スマホのホーム画面等のメインで使う場所に「おとくコールアプリ」のアイコンを置くことで、うっかりを防止できます。
このアプリは特別なことをしているわけではありません。本来の電話帳を参照することで使える様にして、発信する電話番号の頭にプレフィックス番号を自動で入れてくれるものです。
フリーダイヤルや緊急通報などの場合はアプリが判断して番号無しで発信してくれます。電話をする時には常にアプリ一本に絞っても、使い心地は悪くはありません。
④相手によっては、電話番号が表示されない
「おとくコールアプリ」を利用して発信すると、自動的にプレフィックス番号が頭に付きますが、相手には自分の電話番号がそのまま表示されます。
楽天モバイル「Rakuten UN-LIMIT」回線が相手先の場合には、非通知になってしまいます。今後解消する可能性はありますが、楽天側の仕様変更を待つしかありません。
⑤初期設定では「おとくコール」が申し込まれない
上記で説明したように、「おとくコールアプリ」を使用の通話料金は10円/30秒になるのですが、申し込みをしないと適用されません。
契約時に申し込まなかった場合は、常に20円/30秒の通話料がかかることになります。
契約したあとでも、MyDTIから申し込むこともできます。
悪いことだけじゃない!DTI SIMのメリット
画像:excite
デメリットばかり書きましたが、良かったことや実際に使って初めてわかったメリットもたくさんありました!
①やっぱり安い
DTI SIMは、「業界最安値」の文言をホームページ上に堂々と謳うほど、価格には拘っている会社です。
(引用:DTI SIM公式サイト 2020/06/18現在)
通常プラン
容量 | データプラン | データSMSプラン | 音声プラン |
1GB | 600円 | 750円 | 1,200円 |
3GB | 840円 | 990円 | 1,490円 |
5GB | 1,220円 | 1,370円 | 1,920円 |
10GB | 2,100円 | 2,250円 | 2,800円 |
毎日1.4ギガ使い切り | 2,200円 | 2,350円 | 2,900円 |
毎日1.4GB使い切りというのは超個性的です。
画像:excite
毎日1.4GBということは1.4GB×30日とすると42GBになります。その容量でデータ通信プランなら月額2200円という金額は破格です。音声通話機能付きプランでも2,900円は驚きしかありません。
②お試しプランがある
引用元:https://dream.jp/(2020/08/07現在)
初めてDTI SIM申し込みする人限定のプランです。
契約から半年間は、音声プランは格安・データプランは無料になっています。
お試しプラン
プラン名 | 1カ月目~6カ月目 | 7カ月目以降 |
でんわ定額プラン 3GB | 1,520円 | 2,310円 |
データ半年お試しプラン 3GB | 0円 | 840円 |
データSMS半年お試しプラン 3GB | 0円 | 990円 |
このでんわ定額プランは、音声通話機能を付帯するだけではなく、10分以内の国内電話が何回かけても無料になるオプションが、自動的に付いてきます。このオプションは月額820円ですから、通常価格の1490円に加えると2,310円になります。
半年間はこれが1,520円になるわけですから、かなりお得です。
データのお試しプランは、半年間0円です。違約金も無いので、試しに使ってみて実際に使い勝手を知るのにイイです。
使っているキャリアのSIMはそのままで、データ通信のみダブルSIMで運用する事が出来れば、オイシイ!と考えている人が試してみるのにピッタリです。
③余ったデータ量を翌月に繰り越しできる
使い切らなかったデータ通信容量が、翌月の容量に加えられます。この「ありがたみ」は使って初めて解ります。
無制限に増えていく訳では無く、契約容量の同等まで・繰り越せるのは1ヶ月の制限はあります。
たとえば3GBの契約で1GB余らせた場合は次の月から4GBスタートに。同様の使い方だと2GB余りますから3ヶ月目には5GBスタートになり、4ヶ月目には最大の6GBスタートに到達しています。
意識しなくても知らない間に貯まっていく感じで、普段はそれほど使わなくても、いざという時に余裕があるのは嬉しいです。
毎日1.4ギガ使い切りプランは、使い切りなので繰り越しはありません。
④DTI Club Offサービスが利用できる
引用元:https://dream.jp/(2020/08/07現在)
ホテルやレストランなどがお得になるDTI会員の特典サービス、DTI Club Offを利用することが出来ます。
宿泊施設や遊園地などのレジャー施設、スポーツクラブ、インテリアの購入、ホテルレストランや居酒屋の飲食代金などが特別優待価格でご利用いただける、お得なサービスです。
⑤テザリングが使える
テザリングというのは、パソコンやゲーム機などのWi-Fi接続先としてスマホを使うことです。
例えばdocomoではspモード(300円)の契約が必要ですが、DTI SIMでは、特別に契約しなくてもテザリングが使えます。キャリア端末の種類によっては制約もありますが、多くのSIMフリーの機種なら大丈夫です。
【実際に使った感想】でも結局はDTI SIMを使ってよかった!デメリットよりもメリットが上回る満足度!
業界最安値を標榜するのは伊達ではありません!月々の支払いが圧倒的に安くなりました。
docomoで30GBのプランではモロモロで8,000円くらいの支払いだったのが、毎日1.4GBの使い切りプランに変更後は、同じように使っても2,900円になりました。
時間帯によるスピードや、色々と不満もあります。しかし、この圧倒的な価格の前では満足感の方が圧倒的に高いです。
【まとめ】デメリットもあるけど結局はメリットの方が多い!格安SIMならDTI SIMがおすすめ!
実店舗が無いことや、実際に格安SIMの回線クオリティはどうなのか?といった不安が契約前にはあったことは確かです。
実際に使い始めてみると、細かい不満はありますが、価格の安さを考えると、全く納得できる範疇です。同じように使っているのに月々の支払いは5,000円くらい安くなりました。
DTI SIMのサービス開始直後は、価格の安さのみが際立つ感じでした。その後はプランの数を増やし、大容量を使う人にメリットの有るサービスに軸足を移す展開をしていました。
現在はプランを整理してシンプルに解りやすく、業界トップクラスの絶対的な料金の安さに拘わる姿勢が評価されています。間違いなく、オススメ出来る格安SIMです。
大容量を毎月使う方にはDTI SIM、オススメします。