日本のMVNOの草分け的存在「bモバイル」。従量課金制のプランを採用していて、使い方によってはかなりお得に運用できる、人気の格安SIMです。
そんなbモバイルをiPhoneで使いたいと思っている人も多いのではないでしょうか。
この記事では人気の格安SIM「bモバイル」をiPhoneで使うための方法を解説していきます。
結論を先に述べると、bモバイルではiPhoneを買えないので、持ち込みで契約する必要があります。ドコモ、ソフトバンクの回線が使えるので、今使っているiPhoneもそのまま使えます。
以下で詳しく見ていきましょう。
この記事の目次
bモバイルでiPhoneは利用できる?
先に言ってしまいましたが、bモバイルではiPhoneを使うことができます。
bモバイルにはドコモとソフトバンクの回線を使ったSIMがあるので、それぞれのiPhoneを持っているときは、そのまま移行できます。
またSIMフリー端末ならどちらの回線のSIMも使えるので、例えば
- ソフトバンクのiPhoneのSIMロック解除をして、ドコモ回線のSIMで使う
- auのiPhoneをSIMロック解除して、ソフトバンク回線のSIMで使う
などの使い方ができます。
bモバイルで利用できるiPhone
bモバイルの公式サイトでは、「利用できる端末」が以下のとおり公開されています。
シリーズ | 利用 |
iPhone SE(第2世代) | 未確認 |
iPhone11/11 Pro/11 Pro Max | 可能 |
iPhone XR | 可能 |
iPhone XS/XS Max | 可能 |
iPhone X | 可能 |
iPhone 8/8Plus | 可能 |
iPhone 7/7Plus | 可能 |
最終確認日が2020年1月となっているので、4月に発売されたiPhone SE(第2世代)の確認がとれていません。しかし、それ以前のiPhoneは動作の保証がされています。
また、ドコモ回線のSIMならiPhone 3GS以降に対応。ソフトバンク回線はiPhone 5以降に対応しています(4s以前のマイクロ、標準SIMは非対応)。
auのiPhoneには対応していませんが、SIMロック解除をすれば、どちらの回線でも利用できます。
bモバイルで使える機種については、こちらの記事もチェックしてみてください。
bモバイルでiPhoneを使う方法は持ち込みのみ!
一般的に格安SIMでiPhoneを使うには、以下の2通りの方法があります。
- ①iPhoneをセット購入する
- ②SIMを契約して自分のiPhoneで使う
しかし、bモバイルではスマホの販売自体がないので、iPhoneを使いたいときは、別途iPhoneを購入して、持ち込む必要があります。
今iPhoneを持っている人や、自分に合ったプランで使いたい人におすすめ!
現在、iPhoneを持っている人はbモバイルでもそのまま使えます(SIMロック解除が必要な場合もあります)。
また、bモバイルのプランはデータを使った分だけ支払う「従量課金制」を採用しているので、月によってデータ通信量がバラバラな人は、かなりお得になる可能性があります。
1GBの音声通話付SIMが990円から使えるのは、業界最安水準と言って良いでしょう。
最新iPhone SEは動作未確認
bモバイルで2020年4月に発売されたiPhone SE(第2世代)使いたい人もいるかもしれませんが、先に確認したとおり、現時点では動作の確認がされていません。
あくまで一般論ですが、SIMフリーのiPhoneであれば格安SIMで通信できることの方が多いので、bモバイルでも使える可能性は非常に高いと言えるでしょう。
ちなみに、bモバイルは最低利用期間・解約金がないので、気軽に試せます。
bモバイルでiPhoneを持ち込むメリット
その他、bモバイルにiPhoneを持ち込んで利用するメリットには、以下の点が挙げられます。
- データ移行やアプリの再設定が不要
- 最低利用期間、解約金なしで使い始めることができる
- iPhone専用のソフトバンク回線SIMがある
データ移行やアプリの再設定が不要
機種変更をするときに面倒なのが、データの移行やアプリの再設定。これまで使っていたアプリを再ダウンロードして、ひとつずつログインをし直して…とかなり面倒な作業があります。
これまでiPhoneを使っていた人なら、SIMカードを入れ替えるだけなので、比較的かんたんに機種変更ができます。
最低利用期間、解約金なしで使い始めることができる
bモバイルの音声通話付のSIMは2種類あります。
- START SIM
- 990 JUST FIT SIM
START SIMは文字通りbモバイルをスタートするときに試してみたいSIMです。1.5GBの音声通話付きSIMを1,380円から使えます(ドコモ回線のみ)。契約期間はありません。
しかし、通常プランの990 JUST FIT SIMでも契約期間や違約金はないので、初めて契約するときでも、いきなり990 JUST FIT SIMから始めて問題なさそうです。
違約金がないので、もし通信に満足できなくても、すぐに解約できます。
iPhone専用のソフトバンク回線SIMがある
bモバイルはiPhone専用のソフトバンク回線を提供しています。そのため、ソフトバンクでiPhoneを買った人は、SIMロック解除をしなくても、そのままbモバイルで使い始めることができます。
bモバイルでiPhoneを持ち込むデメリット
逆に、bモバイルでiPhoneを使うデメリットには以下の点があります。
- 毎月の料金が確約されていない
- 自分でiPhoneを用意しないといけない
- 使い方によってはSIMロック解除が必要
毎月の料金が確約されていない
bモバイルはデータ通信量が決められたプランがありません。使った分だけの支払いになるので、毎月の料金の見通しが立てづらいというデメリットがあります。
しかし、5GBから1GB単位でデータの上限を設定できるので、使い過ぎる心配はありません。
自分でiPhoneを用意しないといけない
既にiPhoneを持っている人なら問題ありませんが、大手キャリアやAppleストア、中古販売店などでiPhoneを購入する必要があります。
iPhoneはいろんな種類があって面倒!という人には少々荷が重いかもしれませんね。そんな人はiPhone11を選ぶのがおすすめ。今後数年(もしかしたら5、6年)はストレスなく使えるはずです。
使い方によってはSIMロック解除が必要
ドコモのiPhoneをドコモ回線で、ソフトバンクのiPhoneをソフトバンク回線で使うのであれば、SIMロック解除の必要はありません。以下のパターンの場合は、SIMロック解除が必要になります。
- ドコモのiPhoneをソフトバンク回線のプランで使う
- ソフトバンクのiPhoneをドコモ回線のプランで使う
- auのiPhoneを使う
いろいろと考えるのが面倒な人は、とりあえずSIMロック解除をしておけばOKです。一度ロック解除をしてしまえば、今後、他の格安SIMに移行するときも、自由に移動できます。
※2015年5月以前に発売されたiPhone(iPhone6よりも前のiPhone)は、SIMロック解除ができません。ドコモ、ソフトバンク、それぞれ同一回線のSIMカードを使うようにしましょう。
以下ではSIMロック解除の方法を解説します。
【注意】SIMフリーロック解除をしておこう
SIMロック解除の流れは以下のとおりです。
- 購入元のキャリアのWebサイトでSIMロック解除の手続き
- iPhoneのアクティベーション
- iPhoneのバックアップ
- iPhoneの初期化
個人的におすすめしたいことは、先にbモバイルの契約を済ませて、SIMカードを取り寄せてから行うこと。その場合、1、2の作業だけで済むので、大幅に作業を省けます。
ステップ1:キャリアのWebサイトでSIMロック解除の手続き
まずはiPhoneの購入元のキャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)のWebサイトから、SIMロック解除の手続きを行います。
ショップでも手続きができますが、3,000円の手数料がかかるのでおすすめできません。Webなら自宅のパソコンやスマホから、数分の作業で手続きできます。
以下、ドコモ、au、ソフトバンクでの手続き方法をまとめておきます。
<ドコモのSIMロック解除の手続き>
- My docomoにアクセス
- サービス一覧>SIMロック解除を選択
- dアカウントでログイン、ネットワーク暗証番号の入力
- 製造番号(IMEI)を入力して手続き完了
<auのSIMロック解除の手続き>
- au公式ページから「SIMロック解除のお手続き」
- auIDでログイン
- 過去にauで買ったスマホの記録からSIMロック解除するiPhoneを選択
(中古などで買った場合は、IMEI番号を入力) - 内容を確認して完了
<ソフトバンクのSIMロック解除の手続き>
- Myソフトバンクにアクセス
- Softbank ID(または電話番号)でログイン
- メニューの「契約・オプション管理」を選択
- SIMロック解除手続きでIMEI番号を入力して解除
ステップ2:iPhoneのアクティベーション
キャリアでのロック解除の手続きを終えたら、先に契約しておいたbモバイルのSIMカードを挿入してアクティベーションを行います。
アクティベーションロックの画面が表示されたときは、パスワードを入力してホーム画面まで進みましょう。これでSIMロック解除が完了します。
もし、手元にbモバイルのSIMカードがない場合は、ステップ3、4に進んでください。
ステップ3:iPhoneのバックアップ
このあと、ステップ4でiPhoneの初期化を行うので、バックアップを取っておきましょう。バックアップは、
- パソコンがあるならiTunes
- パソコンがない人はiCloud
を使います。
しかし、iCloudを使って無料でバックアップを取れる容量は5GBまでです。写真などがたくさんある人は5GBでは足りないと思うので、Googleフォトなどの無料のストレージサービを使うか、iCloudの有料プランを契約しましょう。
iCloudの有料プランは「設定」>「自分の名前(Apple ID)」>「iCloud」>「ストレージを管理」から申し込むことができます。月単位で加入できるので、作業が終わったたら、すぐに無料に戻してもいいでしょう。
- 〜5GB:無料
- 〜50GB:130円
- 〜200GB:400円
- 〜2TB:1,300円
iPhoneの初期化
バックアップが取れたら、iPhoneを初期化しましょう。「設定」>「一般」>「リセット」>「すべてのコンテンツと設定を消去」の順に進んで、初期化してください(端末のデータが消えるので、確実にバックアップを取ってから行ってください)。
初期化後は先に取ったバックアップを復元してください。設定が完了すれば、SIMロック解除が完了します。
bモバイルにはiPhoneの修理オプションはある?
持ち込みの端末でも補償のオプションを付けられるか、気になるところですね。残念ながら、bモバイルには持ち込みのスマホに付けられるオプションはありません。
しかし、最近では、契約している会社に縛られず、誰でも入れる「スマホ保険」のサービスがたくさん提供されています。
毎月数百円で入れるものが多いので、一度調べてみるといいでしょう。
bモバイルでiPhoneを使うAPN設定方法
bモバイルでiPhoneを使うためには、APN設定という初期設定が必要です。SIMカードを挿しただけでは通信できないので、必ずAPN設定を行いましょう。
APN設定とは
スマホはAPNという情報を入力することで、SIMカードを使った通信ができるようになります。APN情報は通信事業者によって違うので、今回で言えば、bモバイルのAPN情報を、使用するiPhoneに設定する作業が必要です。
APN設定はiSO12.2以降の場合と、12.1.4以前で少しだけ異なります。自分のOSのバージョンは「設定」>「一般」>「情報」の「ソフトウェアバージョン」で確認できます。
過去のAPN設定は先に削除しておく
これまでに他社の格安SIMを使っていたときなどは、他社のAPN設定が残っていることがあるので、「設定」>「一般」>「プロファイル」に進んで、過去のAPN情報を削除しておきましょう。
iSO12.2以降のAPN設定方法
bモバイルのSIMカードを挿入して、Wi-Fiに接続します。その後、Safariから以下のページのある「プロファイル」をインストールします。
※Safari以外では正しくインストールできないので、必ずSafariを使いましょう。
「このWebサイトは構成プロファイルをダウンロードしようとしています〜」と表示されるので「許可」をタップ。
その後、iPhoneの設定を開くと、上の方に「プロファイルがダウンロードされました」と表示されているので、タップしてプロファイルをインストールしてください。
最後に端末の再起動をして、設定完了です。
iSO12.1.4以前のAPN設定方法
iSO12.1.4以前の場合も、以下のリンクからプロファイルをインストールしてください。リンクは先程と同じものです。
画面の指示に従ってiPhoneのパスコードを入力、インストールをタップしてください。インストールが完了したら、再起動して設定完了です。
bモバイルのAPN設定をさらに詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。
難しいときはカスタマーサポートを利用しよう
どうしてもAPN設定が難しいときは、bモバイルのカスタマーサポートへ問い合わせましょう。2020年5月現在、電話での問い合わせは休止しているので、メールで問い合わせましょう。
bモバイルのサポートについては、こちらの記事もチェックしてみてくださいね。
iPhoneを使うときに知っておきたい!bモバイルによくある質問
最後に、bモバイルでiPhoneを使うときに知っておきたい、よくある質問をまとめておきます。ぜひ参考にして下さい。
途中からiPhoneに機種変更することはできますか?
bモバイルですでに契約している人は、iPhoneを別途用意すれば、機種変更できます。変更の手続きなどは不要で、SIMを挿し替えてAPN設定するだけでOKです。
iPhoneのOSをアップデートしたら通信できなくなった
iPhoneのOSをアップデートすると、APN設定がクリアされることがあります。その場合は改めてAPN設定を行ってください。
それでも通信できないときは「設定」>「一般」>「リセット」>「ネットワーク設定をリセット」で設定をリセットして、再度APN設定をしてください。
動作確認機種一覧に載ってないiPhoneは使える?
一覧に掲載されていない機種はサポート対象外です。問い合わせをしても、具体的な回答はないと思います。
iPhoneの標準電話を使うとどうなりますか?
30秒あたり20円の通話料金がかかります。bモバイル電話アプリを使うと、10秒30円で通話できます。
bモバイル電話アプリの連絡先が同期していない
bモバイル電話の連絡先は、iPhone標準の連絡先と同期するように設計されています。「設定」>「プライバシー」>「連絡先」と進んで、bモバイル電話アプリの連絡先へのアクセスを許可してください。
まとめ
bモバイルでiPhoneを使うための方法を紹介しました。この記事のポイントをまとめておきましょう。
- bモバイルではiPhoneを購入できないので、持ち込みで使う
- bモバイルは最新のiPhone SE(第2世代)の動作保証はない
- ドコモのiPhoneはドコモ回線、ソフトバンクのiPhoneはソフトバンク回線ならSIMロック解除なしで使える
- SIMロック解除をすれば、回線の種類に縛られず使える(auで買ったiPhoneでも)
bモバイルはSIMロックが解除されたSIMフリーのiPhoneならどの回線でも使えます。使った分だけ支払う従量課金制プランがある格安SIMはあまりないので、ムダなくiPhoneを使いたい人にはおすすですよ。